
ペットフードのパッケージには、食品と同じように品質を保ちつつ、利便性やデザイン性を兼ね備えた機能が求められます。
今回は、ペットフード用のパッケージ(ラミネート袋)に必要な機能と、最適なパッケージの選び方をご紹介します。
ペットフードの種類
ペットフードは、含水率を基準にドライタイプ・セミモイストタイプ(ソフトドライタイプ)・ウェットタイプの3つに分類されています。
含水率によって品質の保持方法が異なるため、製品のタイプに合う機能性を持つパッケージを選択することが重要です。
「ウェット」ペットフードと「ドライ」ペットフードのパッケージはそれぞれ異なる目的を果たします。
ドライタイプ(含水率10%以下)
13%を超えると微生物やカビが増殖してしまう可能性があるため、12%以下を保つ必要があります。ドライタイプの品質を保持するには、パッケージングによって湿気を効果的に遮断する必要があります。
開封後も鮮度を保つために、パッケージはジッパー付きが適しています。
セミモイストタイプ・ソフトドライタイプ(含水率25~35%)
製品水分25~35%のフードで、湿潤調整剤を使用し、しっとり感を保つ必要があります。保存期間が短く、使い切りや開封後は冷蔵保存が必要になることが多いです。
ウェットタイプ(含水率75%程度)
水分75%程度で、品質保持のために殺菌をしてから、充填されたフードです。使用される容器やパッケージは、アルミトレーや缶詰が一般的です。
酸化・湿気を防ぐバリア性
ペットフードは酸化しやすく、湿気を吸収すると品質が劣化してしまいます。
そのため、パッケージには空気や水分を通さない材質を使用することが重要です。
酸化・湿気を防ぐには材質に「アルミ箔」「ナイロン」が含まれたパッケージがおすすめです。
「アルミ箔」「ナイロン」を貼り合せた多層フィルムだと、酸素バリア性・防湿性・遮光性に優れているため、長期保存が可能です。
酸素バリア性 :風味を劣化させる酸化を防ぐ性能。
防湿バリア性 :湿気を遮断する特性。製品の食感と風味を維持でき保存期間を延ばすことが可能です。
光からの保護 :栄養素や風味を分解する可能性のある紫外線を遮断する性能。
【アルミ箔の特長】
- 湿気を通しにくい(防湿性◎)
- 酸素を通しにくい
- 光を通さない(遮光性◎)
- 香りを逃がしにくい(保香性◎)
【ナイロンの特長】
- 湿気を通しにくい(防湿性◎)
- 水蒸気を通しにくい(水蒸気バリア性◎)※一部の材質
強度と耐久性
ペットフードは固形で重量があるため、たとえ小さな傷がついても、簡単に裂けないパッケージが理想的です。
- 破れにくいフィルム構成
ラミネート袋は複数枚のフィルムを貼り合わせた構造(複層化)になっています。(参考リンク)
それぞれの層が異なる役割を果たし、高い性能を実現しています。
材質構成にナイロンが含まれていると、外部からの突起物で突き刺しても、破れないバリア性のあるパッケージを作成することができます。
種類別:おすすめパッケージ材質一覧
ペットフードの種類 | 防湿バリア性 | 酸素バリア性 | 遮光性 | 推奨材質 |
---|---|---|---|---|
ドライタイプ(含水率10%以下) | ◎(必須) | ◯(推奨) | △(あれば良い) | アルミ箔 + ナイロン+ポリエステル |
セミモイストタイプ(含水率25~35%) | ◎(必須) | ◎(必須) | ◯(推奨) | アルミ箔 + ナイロン |
ウェットタイプ(含水率約75%) | △(容器による) | △(容器による) | △(容器による) | アルミトレー、缶 |
- ドライタイプ 湿気が大敵なので、防湿性が最も重要。アルミ箔とナイロンの多層フィルムが効果的に湿気を遮断します。
- セミモイストタイプ 酸化を防ぐために酸素バリア性も重要。アルミ箔とナイロンの多層フィルムで、酸素や湿気をしっかり遮断します。
- ウェットタイプ 密封された容器(缶やトレイ)を使用するため、パッケージ材質は主に容器に依存しますが、湿気や酸素を遮断するために適切な材料が選ばれます。
使いやすさ(ユーザビリティ)
ペットフードは、チャック付きで繰り返し使用可能であったり、消費者が使いやすいパッケージであることも重要です。
- 開封しやすいノッチ付き
消費者の使いやすさを考慮すると、開封しやすいノッチ付きのデザインが有効です。
手で簡単に開封できるため、ハサミを使わずにすぐにペットにご飯を与えられます。これにより、日常的な使用がより快適になります。

デザイン性とブランディング
パッケージデザインは、ブランドのイメージを消費者に伝える重要な要素です。
- マット加工や光沢仕上げで高級感を演出
- デザインの自由度が高いフルカラー印刷対応
これらの要素を取り入れることで、消費者の目を引き、ブランド認知度の向上につながります。
▼【製作事例】印刷ラミネート袋(林技研株式会社様)
まとめ
ペットフードのパッケージには、品質を保つためのバリア性や耐久性、使いやすさが求められます。
また、デザイン性もブランドの印象を左右する重要な要素です。